2017年6月23日金曜日

高齢者と就業について色々と考える事

今、仕事で御年70歳の高齢者と組んでいる。昔は某大企業系列会社の役員なども勤めてブイブイ言わしていたらしいが、諸々あって退職後に関連会社への顧問の話を固辞、自分が生きる価値は労働にしかないと底辺業種に再就職、という仕事によって壊れた感じの人である。

とにかく高度経済成長を象徴する、古き良き日本の価値観を持っている。仕事はコスパよりクオリティ寄り。万一が許されない業種にいたので、多少遅くても確実性を求める事が骨の髄まで染みついている状況。これが、クオリティよりも速さ、見た目よりも実効性を求められる土方仕事では存外に相性が悪い。その価値観の齟齬で常に上司から怒られている(いや、土方は何も悪い事しなくてもお気持ちで怒る人間が大多数なんだけど)。

仕事に対してとんでもなく真摯なので、自分の職域でない部分でも積極的に手を出し、仕事を早く終わらせようと躍起になっている。そこは頑張った所で1円も給料は上がらないし、そもそも職域以外の事はやってはいけない法律があるのに、聞こうとしない。元請はそちらの方が利益になるので、事実上黙認している。

彼が仕事の範囲を拡げる事によって、それが常態化して同じ職業の他の人間にも同じ仕事を求められるようになり、労働のデフレ化を引き起こし環境を著しく悪くしているんだけど、本人は世の為人の為にやっていると信じて疑ってない様子で、どうしようもない。高度経済成長期の時にはとんでもなく優秀な人として扱われていただろうし、多分〇芝にいたら嬉々として粉飾に加担していたと思う。日本の低成長が悪い。

同年代の人間と比べてもバイタリティの高さは突出していて、良く動くんだけど、やっぱり年齢相応の体力や認知能力の衰えは見えてて、危険な現場では文字通りそれが致命傷になりえる。注意しても「新人が何を言ってるんだ、お前の方が危ない」と返すだけ。そもそも役員まで勤めたプライドもあって同僚の話を聴く耳を持ってない。何より本人が誰よりも危険な状況にあるのに自覚がなく、もしかしたら数ヶ月後に地方版のニュースを賑わしても不思議ではない状況。

現業、常に人が足りてないので、猫の手も欲しい状況ではある。その中でリタイアしたワーカホリックの高齢者を雇う所も多いんだけど、命の危険がある現場では体や認知の衰えが如実に事故に繋がりやすくなる。現業の高齢就業者、そのうち確実に社会問題化すると思うけど、自分の現場で起こったら本当嫌だなぁ。

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