2017年11月27日月曜日

俺らは単にゲームチェンジを求めているだけだ

 ネットの不遇な住人は社会それ自体を嫌っている訳ではなく、自分が負け組、下層にいる事を強いられる社会を嫌っていただけだったという話。

 コミュニティから疎外されていたギークなりコスプレイヤーがいざ自分がカーストの上位に立った時に自分達が受けて来た仕打ちをカーストの下位層に行う、というのがかなり象徴的。結局は「同じ底辺という立場」を共有できた幸せな時間は短く、少しづつ付いて来たネット上での格差がいつの間にか決定的になって新しい社会が生まれる。

 結局、俺らが求めているのは社会の撲滅なんかじゃなく、単純なゲームチェンジでしかなかった。そしてそのチェンジの幅は、一部の人間にスクラムを組まれ、どんどん狭まっている。インターネットの夢は終わりつつある。もう終わったか?それはわからん。

 電脳世界でもカーストの下位に甘んじてしまった人間は現実でもネットでも惨めさを抱えながら、カースト中位以上の人間からネガティブさを疎まれながら、生きていくしかない。多分死んだほうがいいだろうけど、恐らく死ねない。勿論、世界に同情する人間もいない。お前は単に無能だったのだ、と蔑まれるだけだ。さて、どうしよう。

2017年11月20日月曜日

売上は伸びるが店舗は減る:ゲーセン業界に見られる捻れ

 11月15日にAOUからアミューズメント産業界の実態調査が発表された。

 要点としては
 〇 オペレーションの売上が前年比+6.5%、2年連続で前年度を上回る
 △ AM筐体の売上高は前年比+0.3%、売上に底打ちの兆しがみられる
 × ゲーセンの店舗数は前年比-4.8%、ゲーセンの閉店に歯止めがかかっていない。

 この3点。売上は伸びているのに、ゲーセンの閉店はこれまでと同じペースで進んでいる。この捻れが起こる理由は何故か?自分の結論を先に言うと


 1.恩恵を得られるのはショッピングセンター付属の子供向けゲーセン、艦これやラブライブなどのヒット筐体を仕入れた所、広告活動の活発に行った大手、などのヒット要素を取りこめたゲーセンに限定されており、その恩恵に与れないゲーセンは従来通り

 2.不動産価格の上昇、アルバイトの賃金上昇、運送業者の料金上昇により、高い収益性を求められるようになった為、低収益のゲーセンを畳むケースが増えている


データを見ながら理由を書いて行こうと思う。


D1.2016年度は大手企業運営のゲーセンの閉店が相次ぐ





 全ての規模のゲーセンで店舗数が減っているのだけれども、その中で一番減り幅が大きいのが筐体台数201台以上の大型ゲーセンで、前年比-10%となっている。ゲーセンが急激に閉店し出した2006年以降、大型店舗数はずっと横ばいの状況だったが、2015年以降そのバランスが崩れ、2016年度にはっきり傾向として現れたとも言える。


この年の主だった大手ゲーセンの店舗数推移は次の通り(2015年度末→2016年度末)

 イオンファンタジー 494店舗→479店舗
 ナムコ 209→219店舗
 ラウンドワン 114店舗→107店舗
 アドアーズ  51店舗→47店舗

イオンファンタジー、ラウンドワン、アドアーズに関しては不採算店舗の閉店と、合理的に店舗数を減らしている一方、ナムコはこの中でも新規出店17、退店7の純増10となっているが、大半の新規開店がショッピングセンター付属、もしくは新業態(VR ZONE)の形を取っている。



 また、大型店舗と同様、筐体数21~50台、51~70台の店舗数も大きな減少を見せているが、これはAOUのレポート曰く

「中堅施設運営企業の廃業やSC内設置店舗の統廃合が行われたことが影響していると思われる。 (筆者注:営業→影響に修正)」
との事。2016年度は中小ゲーセンの撤退、大手企業の不採算店舗の整理、選択と集中がより進んだ年とも言える。


D2.大手間でも市場規模拡大の恩恵を得られるゲーセンとそうではないゲーセンに別れる

 次のグラフは上場企業大手数社(+α)のゲーセン運営事業の売上高推移となる。増税影響前の2013年度から4年間を挙げている。


 増税以後、2年間は各社売上を一時的に落としているが、2016年度には、大手ゲーセンの大半は市場規模の拡大に素直に従う形で業績を回復させている。イオンとナムコはSC向け子供向けが強く、プライズインカムの伸びによる恩恵を受け、ラウンドワンは、艦これアーケードとラブライブの導入から、大きく収益を伸ばした。

 一方で大きく業績を落として回復していないのがアドアーズ。2013年以降急速に店舗数を減らしている(56店舗→47店舗:15%程度の閉店)というのもあるが、2016年度の既存店の前年比売上は100%を切っている。

 また北海道のゲーセン運営企業、スガイ(SDエンタテインメント)も増税後の減収から業績を回復させる事が出来ておらず、撤退戦を余儀なくされている。イオンファンタジーの北海道東北エリアの売上高が右肩上がりで伸びているのとは対照的だ(2016年度のイオン北海道、東北エリアは前年比+11.3%)


 市場規模は回復したものの、ゲーセン全体の景気が回復しているという訳ではなく、ある程度限られたセクターにのみ増収の恩恵がある、と言えるかも知れない。



D3.不動産価格の上昇による収益力圧力、その結果の不動産売却、業態変換

 2016年度のゲームセンターの中で象徴的な閉店が2つあった。セガの運営する心斎橋GIGOとオスロ―の運営する立川ゲームオスロ―5号店の閉店である。

 前者は不動産の売却、後者は伝聞によればパチンコ業態への転換と言われている。

 アベノミクスによる異次元緩和に端を発する不動産への資金の流入により、特に不動産価格は都心部で顕著になっている。必然、賃貸料も上昇傾向となり、利益を逼迫している。また、労働力不足はより顕著になっており、アルバイトの最低賃金は有意に上昇している。そして、運送業者の需要過多による運賃の値上げも日常的に筐体を輸送する業者に取っては痛手だ。ゲーセン経営者はこれらのコスト増と人員不足を賄うためより効率的に売上を稼がなければいけない状況にある。

 一方、土地を使った事業の中で、ゲームセンター事業は他のアミューズメント業態に比べて収益性が非常に悪い。整然と設置され、年間一人当たり平均200万円あまり(純額およそ40万円)を消費するパチンコ、1台あたり時間1000~1500円で回るコインランドリーや駐車場と比べて、ゲームセンターに落ちるお金は極端に少ない。その上、機器も多く、修繕に必要な費用、従業員の教育コストは他業態に比べて非常に高い。端的に言えば、現在のゲーセン運営は割に合わない商売となりつつある。


 現状、非正規雇用者の賃金上昇はゲーセンに取ってプラスではあるが、長期的に見て、従来のゲーセンのビジネスモデルを滅ぼす元凶になるのは間違いない。大手各社もそこは認識しており、VRカフェ、及びe-sports関連施設の展開、と従来とは少し違う業態を模索している最中である。2018年度はその中から消費者に受け入れられた業態がより多く展開されていくのではないだろうか。



 以上、3点のデータを見ての結論は最初にも書いた通り

 1.恩恵を得られるのはショッピングセンター付属の子供向けゲーセン、艦これやラブライブなどのヒット筐体を仕入れた所、広告活動の活発に行った大手、などのヒット要素を取りこめたゲーセンに限定されており、その恩恵に与れないゲーセンは従来通り

 2.不動産価格の上昇、アルバイトの賃金上昇、運送業者の料金上昇により、高い収益性を求められるようになった為、低収益のゲーセンを畳むケースが増えている。



 となる。総括して言えるのは、ゲーセンはまだまだ転換期の最中にあり、単純に業界全体の景気回復を喜んでいる場合ではない、という事である。